前回の記事では、個人事業主と税金について書きました。

利益を出している個人事業主はたくさん税金を払っている事がわかりました。

もちろん個人事業のまま節税をする事は可能です。
小規模企業共済なんかも節税には効果的です。

小規模企業共済についてはこちら
小規模企業共済のすすめ

しかし、今記事では個人事業ではなく
事業をもう一段スケールアップさせる「法人成り」について書きます。

改めて「法人成り」とは
個人事業から、株式会社などの法人組織に変更する事をいいます。

個人事業から法人組織になると何が変わるのか?
メリットとデメリットを交えて書いてみます。

法人成りのメリット

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その① 信用力の増加

法人は会社法に基づき登記を行う必要があります。

登記内容で主なものは

■商号
■本店や支店の住所
■会社の設立日
■目的
■資本金の額
■役員に関する事項

など多岐に渡ります。
これらをわざわざお金をかけて登記する事で、商売に対する本気度や透明性が伝わり取引先へ与える信用力がアップします。

なぜなら、法人の登記情報はお金を払えば誰でも見る事が可能だからです。

また、採用においても法人組織の方が有利なケースが多いです。

その② 有限責任になる

個人事業は無限責任です。

個人事業と個人が直接結びついている為、事業の為に起こした借入であっても事業主本人が事業をやめたあとも債権は全額個人にくっついてきます。

しかし、法人(株式会社)は有限責任であり、
倒産などになった場合でも、出資した範囲内の責任のみを負います。

つまり、会社が倒産した場合、
設立時に出資金として用意したお金は返ってきませんが、会社で借りたお金の返済を代表者本人が負うという事はありません。

注意
※個人で連帯保証契約をした場合、返済義務は個人にも及びます。
※合名会社や合資会社の一部の社員は無限責任です。

その③ 決算月を任意に決められる

個人事業の1年間は1月1日から12月31日と決まっています。
また、申告時期も2月16日から3月15日までと決まっています。

しかし、法人の場合
設立日も自由に決められますし、決算日も自分で決める事が可能です。

決算を繁忙期とずらす事で、確定申告などのわずらわしい作業に本業を圧迫される事がありません。

その④ 事業承継しやすい

個人事業の場合、事業主が亡くなり銀行が把握した時点で個人名義の預金が凍結されます。その後、遺産分割協議が終了するまでお金を動かす事ができず業務に支障が生じることがあります。

また、許可や申請などを受けている場合も、法人なら気にせず承継できます。

その⑤ 節税できる

この項目に関しては多くの節税ポイントがありますので細かくまとめながら書きます。

■法人税と所得税には税率の違いがある

個人事業では、残った所得に対して所得税・住民税・個人事業税がかかります。

一方、法人組織では所得に対して法人税・地方法人税・法人事業税が課税されます。

日本の法人税率は資本金1億円以下の法人の場合、
法人税は約23%とされており、年800万円以下の部分は15%とされています。

一方、所得税は最大税率が45%にもなります。

この差がある為、所得がある一定の水準を超えると
法人組織の方にメリットがあると言われています。

個人事業主で、だいたい900万円を超える所得(売上ではない)があれば、ほぼ間違いなく法人組織の方が得になります。

■役員報酬(給与)に”給与所得控除”が適用される

法人組織であれば、社長である自分に対して役員報酬を支払う事ができます。役員報酬は経費として計上することができます。これにより、法人税等の圧縮が可能です。

そして、役員報酬はサラリーマンの給与と同じく「給与所得控除」が使えるため、最低65万円、最高220万円が控除されます。これにより所得税や住民税の圧縮も可能です。

■所得の分散が可能で、扶養に含める事もできる

会社の役員に登記し、労働実態があれば奥さんやお子さんに役員報酬やお給料を支払う事ができます。
そうする事で所得の分散が可能になります。

これは専従者給与と言って、個人事業でも可能ですが、個人事業の場合は専従者給与を支払った人物を所得税の扶養に含める事はできません。

法人組織の場合は、扶養者本人が給料を払っている訳ではありませんので、103万円以下の給料であれば扶養に含める事が可能です。

■損失の繰り越しが10年間可能

個人事業の場合、3年間の損失の繰り越しが可能ですが、法人組織の場合、平成30年4月1日以後開始事業年度分からは10年間の損失の繰り越しが可能となります。

■設立後、最大2年間の消費税が免税に

・資本金1,000万円未満であること  かつ

・設立1年目の前半6カ月で売上1,000万円を超えない
           or
・給与の総支払額が前半6カ月で1,000万円を超えない

上記を満たしていれば、最大2年間の消費税が免税になります。

■退職金を経費にすることができる

個人事業の場合は退職金を支払う時は経費に計上することができませんが、法人組織の場合は適正額であれば経費にできます。

■減価償却の任意計上

個人事業では、減価償却を毎年強制されるが
法人組織では、減価償却は任意とされている。

その為、赤字の事業年度は減価償却を取りやめて、翌期以降に繰り延べる事が可能です。

■社宅を利用し、家賃を経費にする事ができる

賃貸アパートやマンションに住んでいる場合で
個人事業の場合、自分の住んでいる自宅を経費に入れるのはハードルがかなり高いです。

家で事務作業をしていると言っても、
通常認められて3割前後ではないでしょうか。

しかし、法人組織において賃貸アパートやマンションの借主を法人とし、その社宅となった物件に社長が住む事で家賃を全額経費にする事ができます。

ただ、計算根拠に従って法人は社長から家賃を徴収しなければいけません。(自分の会社に家賃を払う)

しかし、このスキームを使うと、少ないケースでも5割、固定資産評価証明書を取得して、通達に従って計算すると8割以上を経費にする事が可能です。

他にも、経費を法人契約とする事で認められやすくなるものもありますが、適正な経理を心がけましょう。

ざっと、メリットはこんなところでしょうか。

次にデメリットを書いて、この記事をまとめたいのですがボリュームの関係でデメリットは次の記事にまとめたいと思います。

法人のメリットだけを読んで、慌てて法人を設立したりしないでくださいね。

最後までお読み頂きありがとうございました。