■同居している家族がいる
はじめに
累進課税制度とは
累進課税(るいしんかぜい)とは、課税標準(租税を賦課する課税対象)が増えるほど、より高い税率を課する課税方式のことをいう。
つまり、所得が高ければ高いほど、掛けられる所得税率も高くなるということです。
節税のコツは所得を集中させないこと
とある家庭をモデルに所得の分散を説明しましょう。

パターン①給与収入のみ
◇夫 35歳 給与収入500万円 ◇妻 30歳 給与収入500万円
さて、この家庭、 二人とも「給与収入」という事で会社員です。
そうすると、収入形態・収入額ともに同じ状況ですから、所得や税金も同額になります。
給与収入の場合は、他人と分けあう事が出来ないため、所得分散はできません。
では、給与以外の収入がある場合を見てみましょう。

パターン②夫に不動産収入を追加
夫 35歳給与収入500万円 不動産収入(整備された駐車場収入)600万円 妻 30歳給与収入500万円
夫名義の土地を整備し駐車場として貸しており、600万円の収入が発生しました。
不動産収入は名義と結びつく為、この収入を妻と分けるのは不可能です。
妻の収入としてしまうと、夫から妻への「贈与」になってしまいます。
ここまでは、良いですね。
良くなければ、このままそっと閉じてください。
では、さらに収入を増やしてみましょう。
今度は夫婦でネットで小売業を始めました。

パターン③夫に不動産収入、さらに共同の収入を追加
夫 35歳給与収入500万円 不動産収入(整備された駐車場収入)600万円 妻 30歳給与収入500万円 共同収入として 小売業収入500万円
さて、ようやく所得の分散が出来そうな収入が発生しました。
答えありきで書いているので、もうお分かりだと思いますが、この小売業収入の500万円は誰の売上として申告すべきか?
もちろん答えは「妻」です。
ボケません。妻です。
税金を根拠とした理由が二つあります。
まず一つ目
夫は既に、妻より500万円以上所得が高い
給与収入だけ見れば同じですが不動産収入がある為、夫は妻よりも所得が高く、累進課税制度により妻より所得税率が高くなっています。
さらに、その上に分けられるはずの収入を足すなんてとんでもない!
という事です。
二つ目
課税売上が1,000万円を超えてしまう
夫の不動産収入は「整備された」駐車場収入であり、消費税の課税売上となります。
消費税法では課税売上が1,000万円以下であれば消費税の納税義務は発生しません。
よって、夫の600万円の駐車場収入には消費税は課税されていませんでした。
そこへ、課税売上である小売業の売上を足してしまった事で夫の課税売上は
1,100万円となり消費税を納めなければいけなくなってしまいました。
不動産収入と小売収入併せて418,100円もの消費税を納税しなければいけません。(簡易課税方式で計算)
小売業収入を妻の収入として申告しておけば、消費税の課税事業者になることもないし、所得の分散もできる事から所得税や住民税の節税にもなります。
夫が既に確定申告をしているや税理士事務所にかかっているなど、そんな安易な理由で事業主を選んでいる場合、損をしていますよ。
合理的な理由をもって所得を分散できる場合は収入や所得のバランスを考え事業主を決定しましょう。
※妻がノータッチの売上を、妻の事業として申告するのは 租税回避にあたる可能性が高く危険です。
例)夫の名前でネットショップを契約し、夫の口座に売上が入ってくるのに妻の名前で申告している場合
贈与にあたると指摘されかねません。
収入実態とお金の流れを必ず一致させましょう。
脱税はいけません。
税理士さんに相談し、明確な根拠と対策をしましょう。
年齢関係なかったね。
最後までお読み頂きありがとうございました。

