はじめに
このたび、国税庁より 【仮想通貨に関する税務上の取扱いについてFAQ】が発表されました。
少しボリュームもあり、専門用語も出てきますが、仮想通貨に触れる方は目を通しておいた方が良いでしょう。
今回はその中でも、仮想通貨の贈与が株式等の贈与とは大きく異なる点について 詳しくまとめてみようと思います。
株式等を贈与した場合に税金は?
株式等を贈与した場合
通常、自分が購入した株や債券を他人に贈与する場合、 含み益・含み損に関わらず、 贈与をした者(以後、贈与者) に税金がかかる事はありません
株式等を贈与された場合
贈与を受けた者(以後、受贈者)は、贈与時の価格で贈与所得を算出し、贈与税を計算し、贈与税を納付する事になります。(年間110万円までは課税されません)
贈与税の詳しい記事はこちら ☞ 暦年贈与のすすめ
贈与された株式等を売却した場合
また、受贈者が貰った株や債券を市場等で売却した場合、 贈与者が取得した価格を取得価格として売却益から引く事ができます。
つまり、受贈者は贈与者の取得価格を引き継ぎます。
含み益や含み損ごと贈与が行われた訳です
仮想通貨を贈与した場合は?
令和1年12月現在、仮想通貨の場合は取り扱いが異なります。
仮想通貨を贈与した場合
仮想通貨を贈与した場合、贈与者は自身が取得した価格を取得費として、 贈与時の価格から差し引き、利益が出ていれば、残った分を雑所得として申告し、所得税を納付する必要があります。
つまり、贈与時に利確をしてから贈与を行うという考え方です。
贈与(死因贈与を除く。)又は遺贈(包括遺贈及び相続人に対する特定遺贈を除く。) により仮想通貨を他の個人又は法人に移転させた場合には、その贈与又は遺贈の時における仮想通貨の価額(時価)を雑所得等の総収入金額に算入する必要があります。
仮想通貨を贈与された場合
贈与税に関しては株式等の贈与と同じで、受贈者は贈与時の価格で 贈与所得を算出し、贈与税を計算し、贈与税を納付する事になります。 ( 年間110万円までは課税されません)
しかし、株式等とは異なり贈与時の時価を受贈者側の取得価格とします。
つまり、贈与者の取得価格は引き継がず、贈与時の価格が取得価格に置き換わります。こうする事によって二重課税にならない様になっています。
※贈与者が贈与時に所得税を納税している為、受贈者が価格を引き継いでしまうと 二重課税になる可能性が発生する
さいごに
仮想通貨(暗号資産)に関する法律は今後も変更される可能性が高く、 注視が必要とされておりますが、現時点での情報を共有しました。
最後までお読み頂きありがとうございました。
