次のような方におすすめ
・借り入れを検討している
・借り入れの返済期間で悩んでいる
・金融機関からの評価を上げたい
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借入の用途と返済方法や返済期間の目安

ビジネスにおける借入のユースケースは大きく分けて三種類です。

借入の用途毎に、用語の解説と返済方法や返済期間をまとめてみました。

設備資金融資

設備資金融資とは

名前の通り、設備投資の為の借り入れです。

例)店舗、営業車、OA機器、機械など

特許や商標権、保証金、ソフトウェアなどに関する資金も設備資金に該当します。

設備資金融資の返済方法

設備資金の返済方法は、基本毎月返済です。

借入の契約内容により元利均等・元金均等方式と返済方式が異なります。

設備資金融資の返済期間

設備内容により異なりますが、設備資金融資は基本、超長期の返済期間となります。

返済期間の目安は減価償却の耐用年数と同等が良いでしょう。

理由としては、

固定資産を購入した場合は原則、減価償却費により少しずつ経費計上され、耐用年数より短い返済期間を選んだ場合は減価償却費以上の利益を出さないと返済できなくなるからです。

>>国税庁 耐用年数表

つなぎ融資

つなぎ融資とは

ビジネスの場においては、売上があってから実際の入金まで時間を要するケースが多々あります。

理由としては、先方での検品や事務作業、締め日の関係などがあげられます。

その場合、先方からの入金を待たずに仕入や外注費を先に支払わなくてはいけない事が往々にしてあります。

その支払の為の融資がつなぎ融資です。

つなぎ融資の返済方法

つなぎ融資の返済方法は、期日一括返済です。

つなぎ融資の返済期間

つなぎ融資は期日一括返済の為、返済期間という考え方はありません。

売上や売掛金、補助金などの返済原資が入金され次第、返済をする事になります。

設備資金融資に比べ利率も高い為、なるべく短期で返済する様にしましょう。

運転資金融資

運転資金融資とは

運転資金融資は、名前の通り毎月のランニングコストを支払う為の借り入れであり、事業を継続する為の資金調達方法です。

運転資金融資の返済方法

運転資金の返済方法は、毎月返済です。

運転資金融資の返済期間

運転資金で借入を行う場合は返済の原資になるものが無い為、返済期間の目安がありません。

  • 景気が好転するかもしれない
  • 同業他社が撤退するかもしれない
  • 努力が実を結ぶかもしれない
  • とにかく事業を存続させたい

この様なマインドで借入を行う事になり、現状をより苦しめる結果になる事も多い為、基本的に運転資金の借り入れは行うべきではありません。

それでも、どうしても運転資金融資に頼る場合があります。

そんな時はとにかく長期の返済期間を申し出ましょう。

交渉事ですので希望の返済期間で融資を受けられるかどうかはわかりませんが、 日本政策金融公庫なら7年、一般の銀行なら8年もしくは10年と申し出ましょう。

金利は多く支払う事になりますが、その分毎月の返済額は減りキャッシュフローは安定します。

事業が好転し、余裕が出来た時に繰り上げ弁済を検討すればよいのです。

返済の為の新たな借入が発生しない様にしましょう。

金融機関から良い評価を受けるためには

金融機関が融資をする際には、決算書やヒアリングシートを用いて中小企業を評価します。

実際に融資を申し込むと、ほとんどの金融機関で直近3年分の決算書を求めれます。

金融機関から良い評価を受けるためには、金融機関がどこを見ているかを知る必要があります。

この図は中小企業庁が公表している「金融機関が中小企業に融資する際に考慮している項目(右)と、 中小企業が金融機関から融資を受ける際に、担保・保証以外に考慮して欲しい項目(左)」の対比です。

この図から読み取れる事は、

①金融機関が融資を検討する際に一番注目している点は「財務内容」。つまり、決算書が最も重要であるということ

②次いで、事業の安定性や成長性が重要であるということ

③中小企業側が思っている以上に、代表者の資金余力や人間性を見られているということ

です。

少し深堀りしてみましょう。

金融機関が評価する「財務内容」とは

金融機関は決算書から様々な事を読み取ります。

その中でもよく見られるポイントを押さえておきましょう。

自己資本比率

金融機関は決算書を評価する際には、まずこの数字を見ます。

自己資本、よく聞きますよね。

自己資本とは返済する必要がない、安定した会社の資金源泉です。

貸借対照表の右側は負債と純資産で構成されていて、負債は「他人資本」、純資産は「自己資本」と呼ばれます。

自己資本比率は

(自己資本÷負債・純資産合計)×100

の計算式で求められます。

一般的に自己資本比率が高ければ負債が少なく、低いほど負債が多いことが分かります。

自己資本比率がマイナスである場合、返済の原資が無い為プロパー融資は絶望的でしょう。

※プロパー融資とは信用保証協会をはさまずに、直接銀行からお金を借り入れる融資のことです。

今回の例では、自己資本比率は ( 290,000 ÷ 620,000 )× 100 = 46.8%

となります。

優良企業と言えますね。

流動比率

流動比率は短期的な支払能力を表します。

1年以内に支払わなければならない負債は1年以内に現金化する流動資産で賄うべきであるという考えに基づく比率です。

一般的には流動比率は200%以上あるのが望ましいと言われています。

流動比率 = 流動資産 ÷ 流動負債 × 100%

今回の例では、流動比率は ( 435,000 ÷ 189,000 )× 100 = 230%

となります。

金融機関はこの数値を見て、すぐに返済が滞る事がないかチェックしています。

流動比率が100%を下回るという事は短期的に資金がショートしている事を意味します。

流動比率が著しく低い場合は、長期の負債が流動負債の項目に混入していないか確認しましょう。

減価償却前の損益

言うまでも無く、会社の営業成績を見られています。

どの程度の黒字・赤字なのか、経営に無駄が無いか確認されます。

その際、減価償却費はキャッシュアウトを伴う経費では無い為、減価償却前の損益でプラスなのかマイナスなのかを確認します。

内容不明の勘定科目が無いかどうか

資産や負債の中に、内容のよくわからない科目が残っている場合、金融機関は必ず確認します。

架空の資産かもしれませんし、とっくに消滅している資産が残っていては正しい評価ができません。

役員貸付金が無いかどうか

役員貸付金とは、会社がその会社の役員に貸し付けたお金です。

金融機関は役員貸付金を嫌います。

貸したお金は全て事業に使ってもらいたいからです。

自分の会社とはいえ、会社のお金を個人の為に使ってはいけません。

事業の安定性や成長性とは

事業内容や今後の展開は、ヒアリングシートにて調査されます。

業種や業界の展望、外的要因、企業の強み、弱みなど決算書からは見えない部分がポイントとなります。

そういう意味では、昔ながらの町の本屋さんや電気屋(家電小売り)さんが運転資金で融資を申し込む場合、よほど財務内容がしっかりしていないと要望通りの借入は難しいでしょう。

融資を受けられたとしても、金利が高かったり担保を取られたりする可能性が高いです。

なぜなら、今後の商売の見通しが非常に厳しいからです。

金融機関を納得させるだけの財務内容もしくは革新的な事業計画が必要になってくるでしょう。

代表者自身も評価されている

先ほども触れましたが、金融機関は経営者の人柄や熱意、経営の資質等も評価しています。

今までどおりのやり方で会社が傾いているのに、とりあえずの延命で借入をしようとする経営者に簡単に融資をするでしょうか?

必死で立て直しを図り、事業計画や強みをアピールする事は決して無駄ではありません。

また、日ごろは全く金融機関とコミュニケーションを取らないのに、いきなり融資してくれと言われても金融機関も構えます。

普段から決算書類を提出したり、担当者とコンタクトをとる事で経営者の熱意をアピールできます。

金融機関の担当者は数年で代わってしまいますが、 金融機関との密なお付き合いは非常に大事です。

さいごに

借入金の用途別の返済期間の目安や銀行からの評価に関する内容でしたが、いかがでしたでしょうか。

もちろん借金はしないに越したことはない訳ですが、 借入を行う際に参考にして頂ければ嬉しいです。

最後までお読み頂きありがとうございました。