税理士とは?
税理士は、税理士法に定める国家資格及びそれを職業とする者の名称であり弁護士・弁理士・司法書士・行政書士・社会保険労務士・土地家屋調査士・海事代理士と共に職務上請求権が認められている8士業の一つです。
税理士の業務内容

税理士の業務は大きく分けて「税務業務」「会計業務」「コンサルティング業務」の3つです。
中でも確定申告などの税務代理を行う税務業務は、税理士の独占業務となっています。
税務業務をさらに細分化すると 「税務の代理」「税務書類の作成」「税務相談」となります。
税理士になる為には?
ご存じの通り、税理士は難関国家資格の一つでありまして、複数の税法試験をパスしなければいけない為、単年での合格はほぼ不可能です。
全科目合格には粘り強い努力が必要とされます。
ちなみに私は粘り強い努力が出来ない為、税理士ではありません。
ただのアラフォーおじさんです。
税理士試験を受けなくても税理士になる方法もありますが、23年間の税務署勤務が条件である為、それも簡単な道とは言えません。
改めて、税理士になる方法をご紹介すると、以下の3通りの道があります。
2.税務署で23年勤務する(試験、実務経験不要)
3.公認会計士、弁護士有資格者が税理士になる(試験、実務経験不要)
厳しい処分を受ける税理士がいる
そんな厳しい試験や長期の税務署勤務を乗り越えて得た税理士資格ですが、毎年、数十名の税理士が税理士業務の停止や禁止の処分を受けています。

戒告とは?
義務違反に対し、本人の将来を戒める旨の申渡しをする処分。戒告処分を受けても税理士業務あるいは税理士資格について具体的変動は生じない。しかし、戒告処分が行われた場合には財務大臣により官報に公告されることとなり、自身の信用失墜にもつながる処分である。
厳重注意って事ですね。
税理士資格にはダメージはありませんが、官報や業界紙にも載りますし国税庁のHPにも名前が載りますので税理士としての信用はガタ落ちです。
税理士資格の停止とは?
税理士業務を行うことを一定期間やめることを命ずる処分。停止期間について、2年以内のどの程度とするかは懲戒処分権者の裁量に委ねられているが、停止期間中は、税理士業務ができなくなるので、税理士は納税義務者との関与契約を解除しなければならない。ただ、税理士の資格についての変動は生じない。
停止とは、おおよそ2年以内の税理士業務の停止です。
税理士として申告を行ったり、税務代理を行う事ができません。
自分一人でクライアントと契約をしている個人の税理士であれば、全てのクライアントとの契約を失うため経済的損失は計り知れません。
税理士としての行為は不可能ですが、他に税理士がいれば事務所自体の存続はなんとか可能でしょう。
税理士資格の禁止とは?
税理士の懲戒処分のうち最も重い処分。税理士としての欠格条項(法4七)に該当し、処分を受けた日から3年を経過する日まで税理士となる資格を失うこととなり、税理士の登録は抹消される(法26①四)。
とても重い処分です。
5年ぐらいで税理士として再登録が出来るケースもある様ですが、かなり悪質な脱税に加担した罪に対する罰なので税理士への再登録が見込めない場合もあり、ある程度の年齢の税理士であればそのまま引退という事になります。
もっとも、詐欺行為であったり巨額の脱税に加担したとなれば税理士自身の逮捕もありえます。
税理士が処分される理由は?

税理士が処分される理由として多いのは以下の行為です。
故意による不正税務書類の作成
クライアントに便宜を図り、納税額が少なくなる様に虚偽の申告書を作成する行為です。
軽微なミスであれば処分される事はありませんが、真実と違うと知りながら虚偽の申告書を作成し脱税を計ろうとする行為は税理士の信用失墜にもつながる為、かなり重い処分が下されます。
一番重い「禁止」の処分が下される事が多い様です。
自己脱税
納税者と税務署の間で正しい租税の申告を行うべき税理士自身が脱税を行う事は税理士の信用失墜につながる行為の最たるものでしょう。
こちらも「禁止」の処分が下される事が多い様です。
非税理士に対する名義貸し
こちらも処分理由でよくあるケースです。
申告書を作成できる一般人はたくさん居ます。
税理士事務所で数年の勤務をすれば、誰だって一般企業の申告書の作成ぐらいは出来ます。
しかし、非税理士は税理士署名欄に名前を書く事はできません。
税理士資格を持たない会計屋に税理士が名義を貸す行為は税理士の信用を著しく毀損させる行為であり重い処分が下されます。
税理士法違反の対象は税理士だけではない

2019年11月に、税理士資格を持たない者が法人や複数人の確定申告書を作成し、さらに架空経費を計上し納税額を減らすという脱税行為にまで及び逮捕されました。
冒頭にも書きましたが、税務業務は税理士の独占業務ですので税理士資格を持たない物が他人の税務書類を作成する事は税理士法に違反する事になります。
※自分や自分の会社の申告書を自分で作るのは何の問題もありません。
無資格者が税務相談を受ける事も税理士法に違反する行為ですので、私に具体的な税務相談をして頂いてもお答えする事はできません。
ただ、一般的な税に関する質問は大丈夫です。
例)確定申告はいつからいつまで?
例)所得税の税率は?
など。
最後にー正しく申告してくれる税理士に依頼しよう

誰だって税金は少ない方が嬉しいし、税理士報酬だって安い方が良いのはわかります。
しかし、そこで安易に自ら脱税行為を提案したり、無資格の会計屋に安価で依頼をするのはとてもリスキーです。
追徴課税はもちろん、罰金や延滞税さらには青色申告の取り消しなども想定しなければいけません。
当然、税務署にもマークされる為、不定期の税務調査が濃厚となります。
税務署も税理士も納税者の敵ではありません。
税法に則って仕事をしているだけで、納税者の立場に立って最善の提案をしている税理士がほとんどです。
日本で商売をする以上は利益に対して向き合う必要があります。
精一杯節税をした後は義務に従って納税をしましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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