まず初めに、今回のコロナ禍で亡くなられた全ての方のご冥福をお祈り申し上げます。
さて、今回は少し重い話をしますよ。
平成時代からずっと言われている日本の少子高齢化問題について、何が問題でどうすれば解決するのか。
なるべく経済的な目線でまとめたいけど、死生観や道徳的な話にもなるから、それでも読んでみようかなって思う物好きは読んでみて欲しい。
あと読んだ後に、らいおんの悪口を言うのは止めてほしい。
日本は世界で最も平均寿命が長い国

まずはこちらの表から見て欲しい。
他先進国と大差は無いけど、日本は平均寿命世界一。
この記録は数年間続いている。
平均寿命が長いって事は当然、高齢者が増えるって事だね。
何故、日本は高齢化社会になったのか?

さっきも書いたけど、日本が高齢化社会になったのは平均寿命が伸びたから。
そして、平均寿命は右肩上がりに伸びてて、30年後には女性の平均寿命は90歳を超えると予想されてる。
生物史において、この100年間の間に平均寿命を1.5倍も伸ばしたのは人間ぐらいだろう。
では、なぜ平均寿命は伸び続けているのか?
この問いの答えはいくつかある。
武力戦争が起きていない
平均寿命を縮める要因の一つが消えた事は大きい。
戦争や紛争などの内戦を含めて、武力によって命を脅かされる国の平均寿命が長い訳が無い。
ご存じの通り日本は第二次世界大戦後、武力戦争をしていない。
医療の発達
一昔前なら、がん=死 のイメージだったと思う。
しかし、今はがんではあまり死なない。
定期健診等で早期発見が出来れば、手術せずに完治する時代。
結核や肺炎等の病気でも日本なら死に至るケースの方が稀。
今、コロナウイルスでも再注目されているけど、予防や治療を含めて日本の医療レベルが世界トップクラスなのは言うまでもない。
食生活の改善
戦前・戦後直後と比べて日本の食物環境は大きく変化した。
日本ではほとんどの人が飢える事なく、容易に食物を摂取する事が出来る。
摂取する食物の栄養価も高く、足りない栄養価も点滴やサプリなんかで簡単に補給出来る。
幼少期から安全で栄養価の高い食物を摂取する事で安全に成長でき、日本人の平均身長なども1990年代後半まで続伸してきた。(最近は横ばい)
世界一の保険制度(国民皆保険制度)
全ての日本国民は社会保険・国民健康保険等の公的医療保険に加入しなければいけない事となっている。
これを国民皆保険制度と言います。
【日本の国民皆保険制度の特徴】
① 国民全員を公的医療保険で保障。 ② 医療機関を自由に選べる。(フリーアクセス) ③ 安い医療費で高度な医療。 ④ 社会保険方式を基本としつつ、皆保険を維持するため、公費を投入。
こちらもコロナウイルスに際して、大きく評価されている制度です。
アメリカでは保険に加入していない人も多くいて、日本みたいに気軽に医者の診療を受診できる事は大きな財産である。
何故、高齢化社会がいけないのか?

高齢化社会がいけないとは一言も言ってない。
人間が歳をとっても現役世代と同様に生産活動を行い、納税をして、病院にも行かなければ何の問題も無い。
しかし、実際はそうはいかない。
70歳にもなれば病気の一つや二つはあるし、昔と同様の働き方は無理になり、仕事を辞める。
すると収入が無いから納税もしないし年金を受給する事になる。
それでも、昭和後期の様に支えてくれる現役世代の方が多ければまだ何とかなる。
つまり、労働生産人口のバランスが崩れる事が問題。
そして令和の今、そのバランスは崩れた。
日本は世界一の少子高齢化社会になった。
少子高齢化社会で起きている問題とは?

少子高齢化社会の何が問題なのか?
老々介護
老々介護とは、65歳以上の高齢者を同じく65歳以上の高齢者が介護している状態のことで、「高齢の妻が高齢の夫を介護する」「65歳以上の子供がさらに高齢の親を介護する」などのケースがあります。
さらに、老々介護の中には認認介護なんてのもあるらしい。
老老介護の中でも、認知症の要介護者を認知症の介護者が介護していることを認認介護といいます。事故が起きやすい危険な介護状況の一つです。
子供の数が少ないという事は、1人で2人の親を介護するという事であり、少子高齢化はマクロで考えてもミクロで考えても良い訳が無い。
年金制度の崩壊 社会保障費の増大

社会保険料を上げても、給付の増大に追い付かず他の税金や国債に頼りながらの給付が続いている。
当然、増加傾向であるし減少の目途は立ってない。
つまり、いずれ破綻する。
少子高齢化社会を乗り越えた国はまだない

日本が世界一の少子高齢化国家である事から、日本が世界に先んじてこの問題に取り組む事となる。
少子高齢化社会を改善するには?
方法は三つある。
一つ目は出生率を上げる事
とにかく今の現役世代を上回る数の子供が生まれないと年齢別人口分布は変わらない。
こんな事は誰でも分かるんだけど、実際問題、出産を考える20代30代夫婦の平均所得で平均2人以上の出生率を期待する事はできない。
日本は一人っ子政策を採ってる訳でも無いのに、出生率はますます1に近づいている。
二つ目は移民の受け入れ
これも非現実的だと思ってる。
他国からの移民を多く受け入れれば理論上、人口分布は改善はする。
また人口増加による内需の拡大も起きうる。
しかし、日本は建国当時より島国であり、異文化との共存に慣れていない。
様々な別問題が発生する事は容易に想像できる。
ややこしい話になるから書かないけど、例えば宗教問題や食文化とかね。
最後の一つは高齢者が減る事
この記事の書き出しとは全く逆の話になる。
平均寿命は伸び続けていて、ますます高齢者は増える。
しかし、高齢者が減らないと少子高齢化社会からの脱却はできない。
安楽死について考える

急に不穏な空気にして申し訳ない。
冒頭でも書いた様に死生観に関わる話になるので、まだ読みたい方だけ読んでくれれば良い。
安楽死について考えを書く前に、これもTweetしようと思ったけどフォロワーが減りそうなのと変なのに絡まれそうだから止めたけど思いを書く。
今回のコロナウイルスが蔓延しかけた当初、このウイルスは高齢者に対し猛威を振るうウイルスであり、年少者に対しては脅威になりにくいという論調があった。
この話を聞いた時に不謹慎だけど、少子高齢化社会を憂う日本にとって良い影響もあるのではないのかと思った。
正直、思った。
多分、政府も思ったはず。
もちろん自分にも家族がいるし祖母が居る。
ばあちゃんに何かがあったらと思うと本当に辛いし、身近な高齢者には長生きしてもらいたい。
それに医療従事者が懸命に命を差別せずに救っている事を本当に讃えたい。
矛盾してるけど、頭の中はそんな感じ。
安楽死とは
不謹慎を続ける。
安楽死とは広辞苑によると「助かる見込みのない病人を、本人の希望によって苦痛の少ない方法で人為的に死なせること」とあります。
私の頭の中にある安楽死とイメージは一致している。
健康で社会保障に影響が少なく、最小限の介護で生活できている高齢者には元気に長生きして欲しいし、介護が必要でも家族の協力で何とかなるなら何とかしたい。
ただ、社会保障費と介護疲れから起こる悲しい事件が減って欲しいだけ。
日本における安楽死に関する法律
令和2年5月時点での安楽死に関する法律を見てみよう。
現在の日本においては、安楽死・尊厳死は合法化されていない。もし、患者本人が真摯に死を望んでいたとしても、患者の要望に基づいて殺害し、または自ら命を絶つのを援助する行為は、自殺関与・同意殺人罪(刑法 202 条)に該当する。さらに、患者本人が死を望んでいたとは認められないような場合には、殺人罪(刑法 199 条)で処罰されるのである。(岡山大学資料より)
この様に患者本人が望んだとしても、同意した者は罪に問われる可能性があり、本人の意思が確認できなかった場合は殺人罪に問われる事もある。
これでは、自分が迷惑をかけたくないからと言っても家族に依頼する事はできない。
安楽死を合法としている国がある
日本で認められていない安楽死ではあるが、ヨーロッパの数か国やアメリカの一部の州では安楽死が認めれている。
ちなみに、日本人が安楽死を選ぶことが出来るのは世界でスイスだけである。
葬儀他いろんな費用を含めて、200万円もあれば安楽死は可能な様だ。
まとめ 安楽死はいずれ必要になる

これからも日本の医療レベルや食文化は発達していくし、今は発展途上国である国も同様に少子高齢化へ向かう。
側面的には喜ばしい事だけど医療や衛生レベルが上がって、人間の寿命が人為的に伸ばされたところで介護してくれている人が誰なのかも分からず生かされる事は幸せなのか疑問である。
それに自身の親を満足に介護してあげる事が出来るのか?などの不安もある。
とはいえ、実際に自分が安楽死を選ぶ立場になったり、自分の家族が安楽死を願ったとして自分の感情がどう揺さぶられるのか想像もつかない。
本人の意思を尊重してあげたいという気持ちもあるし、苦しみから解放してあげたいと思うだろうし、一方で医学の進歩や人体の奇跡的回復を願ってしまうかもしれない。
その相談の過程で家族の意見がバラバラになる事も容易に想像できる。
きっと安楽死を合法化した国もそのへんを苦労なく乗り越えてきた訳がない。
今は、安楽死という選択肢が法律上無いから誰も考えないけど、いずれ来るであろう結末に対する心の準備はしておいた方が良いと思う。
最後までお読み頂きありがとうございました。
