TBS日曜劇場「半沢直樹」ご覧になってますか?

このドラマは2013年7月7日から9月22日にかけて放送された、池井戸潤氏の小説「オレたちバブル入行組」「オレたち花のバブル組」を原作としたTBS日曜劇場「半沢直樹シリーズ」の第一作の続編です。

して、今回の第二作も同じく池井戸氏の小説「ロスジェネの逆襲」「銀翼のイカロス」が原作となっており、第一作で半沢直樹が所属する東京中央銀行から、子会社の東京セントラル証券に舞台を移し物語はスタートします。

原作も読了しドラマも進行形で視聴しており、語りたい事は沢山ありますが、それは完結後にでも取っておいて、今回は半沢直樹シリーズによく出てくる単語「出向」についてまとめたいと思います。

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出向は片道切符の島流し

五・七・五と非常に語呂が良いので、口に出して読みたくなります。

このセリフは半沢直樹シリーズで何度か出てくるのですが、本当にそうなんでしょうか?

ドラマとも掛け合わせて「出向」の本来の意味を解説します。

出向とは?

出向とは、(基本的に)雇用契約や所属は元の企業のまま、子会社やグループ企業などの別会社で働くことです。

ドラマとは違い出向の多くは、社員の経験や成長のためといったポジティブな理由で行われるものが多いようです。

そういったケースでは、出向先のノウハウや人脈を持ち帰った幹部候補が新規事業の立ち上げに従事するなど出世のチャンスにもなります。

しかし、作中ではミスをした社員やうだつの上がらない中年層に対する出向にフォーカスしている為、出向はネガティブなものとして描かれています。

そして、主人公でもある半沢直樹も東京中央銀行から子会社である東京セントラル証券へ出向を命じられます。

半沢直樹の年齢や子会社への出向という事から見るに、籍は東京中央銀行に残っているとはいえポジティブな出向とは言い難いでしょう。

細かい話ですが、今まで半沢が付けていた東京中央銀行の社章も外していましたね。

さらに余談ですが、東京中央銀行の社章ピンバッジがメルカリで900円で売られていました。(ちょっと欲しい)

そして、出向は大きく二つに分ける事ができます。

在籍出向と転籍(出向)です。

在籍出向とは?

EYさんより転載

在籍出向とは、出向元の会社に籍を置いたまま出向先の他社で勤務することを指します。

基本的な出向と考えて良いでしょう。

特に明示がなければ、労働時間や休日などの勤務に関する事柄は出向先企業、その他の事柄は出向元企業の就業規則が適用される傾向にあります。

おそらく半沢直樹も在籍出向ですが、シリーズ一作目で同僚の行員たちが言っている様に、メガバンクの様な大きい会社になると出向は片道切符となるケースが増えてきます。

ポストと人員のバランスの問題が起こるからです。

ミスをした場合やポストの椅子取り競争に負けた場合、次の様な出向を命じられる事があります。

転籍(出向)とは?

EYさんより転載

在籍出向とは異なり、出向元企業との雇用契約は解消して出向先企業と新たに契約を結ぶケースです。 (在籍出向の期間満了後に転籍となるケースもあります)

出向先企業の指示に従って業務を行い、出向先企業の就業規則が適用されます。

出向元企業との雇用契約は解消されているため、将来的に戻れる可能性は低いでしょう。

要するに、子会社や融資先などに出向者を押し付けるという事ですね。

半沢直樹は在籍出向にて東京セントラル証券へ移る訳ですが、出向時の取り決めにも色々ありまして、出向期間等も定められております。

その出向期間の間に特段何もなければ、出向期間満了後、転籍し出向元の子会社へ籍を移す事になります。

転籍には労働者の同意が必要ですが、戻るポストも無い為ほとんどの場合は同意するしかないでしょう。

この事から作中では、出向は片道切符の島流しと比喩されているのでしょう。

出向中の給料について

少しだけ、税務や会計に触れてみます

出向中は当然、出向先の業務を行う訳ですが在籍出向の場合は銀行籍のままです。

では、出向中の半沢の給料はどこが払うのでしょうか?

出向に関する給与負担割合には法的な決まりがない

出向に関して、労務的には出向元と出向先のどちらが給料を負担するかを決める法律が無いようです。

そこで、在籍元と出向先が労働者に不利が無い様に負担割合を決める事になります。

一般的パターンとしては以下になります。

1.在籍元または出向先が給与を負担する(どちらか一方が負担)

2.在籍元が給与を負担したうえで、在籍先が在籍元に給与分のいくらかまたは全額を支払う(派遣社員のイメージ)

3.在籍先と在籍元で、それぞれに給与を負担する(負担割合を決める)

在籍元の都合で出向する場合は1のケースになる事が多いでしょうし、子会社が人材を欲している場合は2や3のケースになります。

ただし、税務的には

人件費の押し付けによる利益操作や税金逃れは良しとされていませんし、当該社員の労働により利益を得た企業が対価として給料を支払うべきだと考えられている為、出向先から支払われるのが妥当でしょう。

出向者に対する給与を出向元法人で負担し、出向先法人が負担しなかった場合、そのことに合理的な理由がなければ出向元法人から出向先法人へ経済的利益の供与が行われたものとして、出向元法人に対して寄附金課税が行われます。

EYさんより転用

まとめ 出向は出世のチャンスでもあり人員整理でもある

作中ではネガティブなイメージを植え付けられた出向ですが、将来を嘱望される若手の出向や、格上の企業や財務省などの公的機関に出向するケースなどポジティブな出向もたくさんあります。

出向は自身の年齢や築いてきたキャリアにより違ったものになるでしょう。

作中で半沢直樹は電脳雑技集団の粉飾決算を見破り、親会社の50億の損失を未然に防いだ事を評価され東京中央銀行へ戻る事が出来ましたが、半沢直樹の年齢で子会社への出向を命じられた場合、普通は転籍含み出向であり、戻って来られません。

普通のサラリーマンが半沢直樹の様な態度で上司に接したら解雇されますし、あの様な仕打ちをされたら倍返しどころか鬱になります。

しんどい時は逃げましょう。

最後までお読み頂きありがとうございました。

原作もぜひ読んでみてください。 以下のバナーから購入できます。

施されたら施し返す、恩返しです。

そして、シリーズ最新作(9月17日(木)発売)の予約がスタートしました。

本作は『半沢直樹シリーズ オレたちバブル入行組』につながる前日譚です。

舞台は再び大阪西支店に!